1. 移動平均線とは?仕組みをサクッと解説

移動平均線(Moving Average)は、一定期間の価格(終値)の平均値を計算し、それを線で結んだものです。

  • 役割: 日々の細かい値動き(ノイズ)をならして、「相場のトレンド(方向性)」を可視化します。
  • 見方:
    • 線が右肩上がり = 上昇トレンド
    • 線が右肩下がり = 下降トレンド
    • 線が横ばい = レンジ(持ち合い)相場

2. 実は2種類ある!SMAとEMAの違い

チャートソフトには主に2つの移動平均線があります。

単純移動平均線(SMA)

  • 特徴: 指定期間の平均を単純に計算したもの。
  • メリット: 世界中で最も使われており、ダマシが比較的少ない。
  • デメリット: 直近の値動きへの反応が少し遅い。

指数平滑移動平均線(EMA)

  • 特徴: 直近の価格を重視して計算したもの。
  • メリット: 値動きに素早く反応するため、トレンドの初動を捉えやすい。
  • デメリット: 反応が良すぎて、ダマシに遭うこともある。

ワンポイントアドバイス: まずは基本となるSMA(単純移動平均線)から使い始めましょう。

3. プロも使う!おすすめの「設定期間」

トレードスタイルによって見るべき期間が異なります。一般的に使われる設定値を紹介します。

スタイル期間の目安(日足チャートの場合)よく使われる数値
短期デイトレード〜数日5日、10日、25日
中期数週間〜数ヶ月50日、75日
長期数ヶ月〜数年100日、200日

※日本の株式市場では「5日・25日・75日」の組み合わせが一般的によく使われます。

4. これだけは覚えよう!3つの売買サイン

移動平均線を使った代表的なトレード手法です。

① ゴールデンクロス(買いサイン)

短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に突き抜ける現象。

  • これから相場が上昇トレンドに転換する可能性が高いサインです。

② デッドクロス(売りサイン)

短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下に突き抜ける現象。

  • これから相場が下降トレンドに入る可能性が高いサインです。

③ パーフェクトオーダー(強いトレンド)

短期・中期・長期の3本の線が、きれいに並んで同じ方向を向いている状態。

  • 上昇のパーフェクトオーダー: 上から順に「短期>中期>長期」
  • 非常に強いトレンドが発生している状態で、順張りの大チャンスです。

5. 移動平均線を使う際の注意点

  • 過去のデータである: あくまで過去の平均なので、未来を予知する魔法の杖ではありません。
  • レンジ相場に弱い: トレンドがない横ばいの相場では、線が絡み合ってしまい、サインが機能しづらくなります。
  • グランビルの法則: より深く学ぶなら、移動平均線とローソク足の位置関係で売買を行う「グランビルの法則」も勉強してみましょう。

まとめ

移動平均線は、トレンド把握の基本にして奥義です。まずはチャートに「短期(例:5日)」と「長期(例:25日)」の2本を表示させて、クロスするポイントを探すことから始めてみましょう。