【三菱重工(7011)】今から買うのは遅い?30代サラリーマンが知っておくべき「防衛・原発」の真実
なぜ今、サラリーマン投資家が「三菱重工」を見るべきなのか
どうも真下です。
「ニュースでよく見る『防衛費増額』や『原発再稼働』。これらが我々の財布にどう関係するのか、気になりませんか?」
30代はライフイベントが多く、将来の資金が気になる時期です。NISA枠を埋める銘柄を探しているものの、ハイテク株のような激しい値動きには疲れた……そんな方にこそ注目してほしいのが、日本の製造業の頂点「三菱重工業」です。
本記事では、多忙なあなたに代わって、三菱重工の強み、ライバルとの比較、そして見落としがちなリスクまでをサクッと解説します。
概要:日の丸製造業の「本丸」その強みとは
三菱重工業を一言で表すなら「国策企業」です。国が力を入れる分野(=国策)に売り上げが直結している点が最大の特徴です。
主な事業セグメント
- エナジー(売上の柱): ガスタービン(世界シェアトップクラス)、原子力発電プラント。
- プラント・インフラ: 製鉄機械、物流システム、冷熱製品(エアコン等)。
- 航空・防衛・宇宙(成長ドライバー): 戦闘機、ミサイル、H3ロケットなど。
💡ここが強い!
- 圧倒的な総合力: 陸・海・空・宇宙のすべてをカバーする技術力は、国内他社を圧倒しています。
- 政府との太いパイプ: 防衛予算の増額は、そのまま同社の受注増に直結します。
- 円安メリット: 海外売上比率が高いため、円安局面では業績が押し上げられやすい構造です。
業績と株価:右肩上がりの背景にあるもの
ポイント: 株式分割(2024年)により、個人投資家でも手が届きやすい価格帯になっています。
近年の株価上昇トレンドの背景には、以下の明確な理由があります。
- 地政学リスクの高まり: 世界的な安全保障への関心の高まりにより、防衛産業への資金流入が加速。
- エネルギー安全保障: 脱炭素と電力安定供給の両立のため、原子力や高効率ガスタービンへの需要が復活。
- 事業ポートフォリオの改善: 過去の不採算事業(国産ジェット旅客機など)の整理が進み、利益が出やすい体質へ変化しました。
株価チャートを見ると、単なるブームではなく、「稼ぐ力(受注残高)」の増加に伴って株価が上昇していることがわかります。
データ比較:重工3社(三菱・川崎・IHI)徹底比較
同業他社と迷っている方のために、特徴を整理しました。
| 項目 | 三菱重工業 (7011) | 川崎重工業 (7012) | IHI (7013) |
| 強み | 防衛・原発・ガスタービン | 二輪車・ロボット・航空機 | 航空エンジン・橋梁 |
| 特徴 | 「王道」の安定感と規模 | 民需(バイク等)の影響大 | 航空宇宙への依存度が高い |
| こんな人向け | 王道の安定成長を狙いたい人 | ロボットなど民需の爆発力を期待 | 航空需要の回復・拡大に賭ける人 |
重工3社 投資指標比較
| 銘柄 | 三菱重工業 (7011) | 川崎重工業 (7012) | IHI (7013) |
| 株価 | 4,083円 | 10,695円 | 3,019円 |
| 時価総額 | 約14.0兆円 | 約1.8兆円 | 約3.3兆円 |
| 予想PER | 55.3倍 | 18.8倍 | 24.7倍 |
| 実績PBR | 5.61倍 | 2.27倍 | 5.60倍 |
| 配当利回り | 0.58% | 1.43% | 0.66% |
- 時価総額の桁違いな差
- 三菱重工は14兆円規模と、他2社(1.8兆円、3.3兆円)を圧倒しています。「業界の盟主」としての安定感・規模感が数字にはっきりと表れています。
- PER(割高感)の解釈
- 三菱重工のPER(約55倍)は、他社(18~24倍)に比べて高めです。これは「現在の利益」以上に「将来の成長(防衛・原発などの国策需要)」への期待が極めて高いことを示しています。「割高だから買わない」のか「期待の表れとして順張りする」のか、投資家の判断が分かれるポイントです。
- 配当利回り
- 0.58%と低めに見えますが、これは株価が上昇しすぎた結果(分母が大きくなった)とも言えます。インカムゲイン(配当)狙いというよりは、キャピタルゲイン(値上がり益)狙いの銘柄である性格が読み取れます。
結論: ポートフォリオの「守りの要」として安定感を求めるなら、規模・分散の面で三菱重工が頭一つ抜けています。
リスク:投資前に知っておくべき「死角」
「国策に売りなし」と言われますが、リスクゼロではありません。
- 為替リスク: 円高に振れると、海外利益の目減りにより株価が調整する可能性があります。
- 政治リスク: 防衛予算の削減や、原発再稼働の遅れなど、政府の方針転換がダイレクトに影響します。
- インフレ・コスト増: 原材料費の高騰を価格転嫁できない場合、利益率が圧迫されます。
まとめ
三菱重工業は、短期で2倍、3倍を狙うギャンブル的な銘柄ではありません。しかし、以下の理由から30代が「長期保有」する対象としては非常に魅力的です。
- 国策に支えられた底堅い需要
- インフラ・防衛という「無くならない」事業
- 株主還元(配当増)への期待
「日々の株価変動に一喜一憂せず、じっくりと資産を育てたい」。そう考えるなら、監視銘柄リストの最上位に入れておくべき一社と言えるでしょう。
