はじめに:なぜ今、伊藤忠なのか?

どうも真下です。

日々の業務に忙殺されているサラリーマンの皆さん、資産運用は順調でしょうか?

「新NISAで何を買えばいいかわからない」

「商社株が良いと聞くけど、高値掴みが怖い」

そんな悩みを抱えるあなたに、今回は「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏も愛する総合商社、伊藤忠商事(8001)について解説します。

結論から言うと、伊藤忠は「不況に強いポートフォリオ」を持ち、我々サラリーマンが長期で保有するのに非常に適した銘柄です。なぜ三菱商事や三井物産ではなく伊藤忠なのか?その理由を、数字と実績で紐解いていきましょう。


概要:「非資源」の王者、その正体

伊藤忠商事の最大の特徴は、「非資源分野」への圧倒的な強さです。

総合商社といえば、原油やガス、鉱山などの「資源」で稼ぐイメージが強いですが、資源価格は市況に大きく左右されます。対して伊藤忠は、私たちの生活に身近な分野で稼いでいます。

  • ファミリーマート(第8カンパニー): コンビニ事業の収益基盤は盤石。
  • 繊維カンパニー: 「ポール・スミス」「コンバース」などのブランドビジネス。
  • 食料カンパニー: 「ドール(Dole)」などの食品流通。

「稼ぐ、削る、防ぐ」という強固な実利主義の企業文化があり、景気が悪くなっても利益を出し続ける「ディフェンシブ」な側面が、長期投資家から高く評価されています。


3. 業績:右肩上がりの「累進配当」

ここでは投資家が一番気になる「お金」の話をします。

【2025年度(2026年3月期)の注目ポイント】

伊藤忠は「連結純利益 8,800億円〜9,000億円」レベルの高水準を維持しています。特に注目すべきは株主還元姿勢です。

  • 累進配当政策: 原則として「減配せず、配当を維持または増やす」という方針。
  • 総還元性向: 配当と自社株買いを合わせて、利益の多くを株主に還元(目安50%程度)。

私たちサラリーマンにとって、「減配リスクが低い」というのは、給料以外の安定収入を作る上で最強の安心材料です。

▼ 主要指標まとめ(※2025年12月時点の目安)

指標数値目安評価
予想PER10倍〜12倍過去平均と比較しても割安〜適正水準
実績PBR1.5倍〜2.0倍ROEが高く、効率的に稼げている証拠
配当利回り3.0%〜3.5%銀行預金とは比較にならない高水準
ROE(自己資本利益率)15%以上日本企業の中でもトップクラスの稼ぐ力

4. データ比較:三菱商事・三井物産との違い

同業他社と比べると、伊藤忠の立ち位置がより明確になります。

大手3大商社 簡易比較

企業名コード強み・特徴向いている投資家タイプ
伊藤忠商事8001非資源(生活消費)
景気変動に強く、株価が安定しやすい。
安定重視・長期保有派
値動きのマイルドさを好む人
三菱商事8058資源・総合力
業界の王者。資源価格上昇時に爆発力あり。
王道・バランス派
業界トップを持ちたい人
三井物産8031資源(エネルギー)
資源価格との連動性が高く、リターンも大きい。
積極投資派
資源高の恩恵をフルに受けたい人

伊藤忠はPERやPBRが他社より高めに評価されがちですが、それは「利益の安定性」に対するプレミアム(安心料)がついていると解釈できます。


5. リスク:死角はないのか?

もちろん、投資に「絶対」はありません。伊藤忠にもリスクはあります。

  1. 為替リスク(円高):海外収益が大きいため、急激な円高は利益の目減りにつながります。ただし、輸入ビジネス(食料・繊維)も多いため、他商社よりは円高耐性があります。
  2. 中国市場の減速:伊藤忠は歴史的に中国ビジネスに強みを持っていますが、中国経済の停滞はCITIC(中国のコングロマリット)などの持分法投資損益に影響を与える可能性があります。
  3. 金利上昇:有利子負債も大きいため、金利上昇による支払利息の増加はコスト増要因です。

6. まとめ:伊藤忠はサラリーマンの「守りの要」

伊藤忠商事は、一発逆転を狙うギャンブル銘柄ではありません。しかし、「毎年の配当を楽しみつつ、じっくりと資産を増やしたい」と考える30代サラリーマンにとっては、ポートフォリオの核(コア)になり得る銘柄です。

【本記事のポイント】

  • 資源価格に左右されにくい「非資源」ビジネスが強み。
  • 「累進配当」を掲げており、長期保有の安心感が高い。
  • バフェット氏も認める高効率経営(高ROE)。

これから投資を始める方も、ポートフォリオを見直したい方も、まずは「監視銘柄」に入れて、株価の動きをチェックしてみてはいかがでしょうか。