【初心者向け】テクニカル分析「DMI」の使い方を完全解説!ADXとの組み合わせで勝率アップ
はじめに
どうも真下です。
「株価や為替が上昇しているけれど、このトレンドは本物なのか?」「そろそろトレンドが終わるのではないか?」そんな不安を感じたことはありませんか? 移動平均線だけでは分かりにくい「トレンドの強さ」を数値化してくれる強力な武器、それがDMIです。
今回は、RSIなどを考案したJ.W.ワイルダー氏が開発したこの指標を使って、トレンドの波にうまく乗る方法を解説します。
1. DMI(方向性指数)とは?
DMIは、相場のトレンドの方向性と強さを判断するためのテクニカル指標です。「上昇の力」と「下降の力」を別々のラインで表し、さらにトレンドの勢いを示すラインを組み合わせることで、相場の現状を立体的に分析できます。

DMIは主に以下の3本のラインで構成されています。
- +DI(PDI):上昇方向性指数
- 上昇トレンドの強さを表します。数値が高いほど買いの勢いが強いことを示します。
- -DI(MDI):下降方向性指数
- 下降トレンドの強さを表します。数値が高いほど売りの勢いが強いことを示します。
- ADX:平均方向性指数
- トレンドの強さそのものを表します(上昇・下降に関係なく)。数値が高いほど、トレンド(方向性)が明確に出ていることを示します。
ポイント: +DIと-DIで「方向」を、ADXで「勢い」を見るのが基本です。
2. 基本的な売買サイン(クロス)
DMIの最も基本的な使い方は、+DIと-DIの交差(クロス)を見ることです。
- 買いシグナル(ゴールデンクロス)
- +DIが-DIを下から上に突き抜けたとき
- 「買いの勢い」が「売りの勢い」を上回ったと判断します。
- 売りシグナル(デッドクロス)
- -DIが+DIを下から上に突き抜けたとき
- 「売りの勢い」が「買いの勢い」を上回ったと判断します。
これだけでは「ダマシ」に合うことも多いため、次に解説するADXが重要になります。
3. ADXで「トレンドの強さ」を確認する(最重要)
DMIを使う最大のメリットは、このADXにあります。ADXを見ることで、今の相場が「トレンド相場」なのか「レンジ(ボックス)相場」なのかを判別できます。
- ADXが上昇しているとき
- トレンドが発生・加速しています。この時に+DIと-DIがクロスしていれば、そのシグナルの信頼性は高くなります。順張りが有効な局面です。
- ADXが下落・低迷しているとき
- トレンドが終息し、レンジ相場(持ち合い)に移行しています。この時に+DIと-DIがクロスしても、すぐに反転してしまう「ダマシ」が多くなります。
【実践的なエントリー条件の例】
- +DI が -DI を上抜く(買いサイン)
- かつ、ADX が低い位置から上昇し始めている

この2つが揃った時、強力なトレンドフォローのチャンスとなります。
4. DMIを使う際の注意点
万能に見えるDMIにも弱点があります。
- 反応が少し遅い(遅行性):
- トレンドが発生したことを確認してからサインが出るため、初動に乗り遅れることがあります。「頭と尻尾はくれてやれ」の精神が必要です。
- レンジ相場では機能しにくい:
- ADXが低い位置で横ばいの時は、+DIと-DIが頻繁にクロスし、使い物になりません。この場合はオシレーター系(RSIやストキャスティクス)など別の指標を使いましょう。
まとめ
DMIは単なる売買サインだけでなく、「今、勝負すべき相場(トレンド)なのか、休むべき相場(レンジ)なのか」を教えてくれる羅針盤のような指標です。
- +DIと-DIのクロスで方向を見る
- ADXの傾きでトレンドの信頼度を測る
まずはチャートにDMIを表示させ、ADXの動きに注目することから始めてみてください。トレンドの強弱が見えるようになれば、無駄なエントリーを減らし、利益を大きく伸ばせるようになるはずです。
