はじめに

どうも真下です。

「今の株価は高すぎるのか、それとも売られすぎでお買い得なのか?」 投資をする上で、この判断は非常に重要です。そんな時に役立つのが、投資家の心理状態を数値化したテクニカル指標「RSI(Relative Strength Index)」です。

今回は、世界中の投資家に愛用されているRSIの基本的な見方から、注意すべき「だまし」の回避方法までを分かりやすく解説します。


1. RSI(相対力指数)とは?

RSI(Relative Strength Index)は、「相対力指数」とも呼ばれ、「相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)」を0〜100%の数値で表すオシレーター系の指標です。

  • 考案者: J.W.ワイルダー
  • 特徴: 一本の折れ線グラフで表示され、現在の価格が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのかの勢いを判断するのに使われます。

2. RSIの基本的な見方(70%と30%のルール)

RSIの最大の特徴は、数値を見るだけで売買のサインが直感的にわかる点です。一般的には以下の基準が使われます。RSI indicator chart stock marketの画像

  • 70%以上: 「買われすぎ」ゾーン
    • 相場が過熱しており、そろそろ下落する可能性がある(=売りシグナル)
  • 30%以下: 「売られすぎ」ゾーン
    • 相場が冷え込んでおり、そろそろ反発上昇する可能性がある(=買いシグナル)
  • 50%付近: 相場が均衡している状態、またはトレンドの途中

ポイント: 設定期間は一般的に「14日」が使われることが多いです。まずはデフォルトの「14」で設定してみましょう。

3. RSIが効きやすい相場・効きにくい相場

万能に見えるRSIですが、弱点もあります。それは「強いトレンド相場」です。

  • レンジ相場(ボックス相場): RSIの得意分野です。一定の幅で上下している時は、70%・30%の逆張りが非常に有効に機能します。
  • 強いトレンド相場: RSIの弱点です。例えば強力な上昇トレンドが発生していると、RSIは80%や90%に張り付いたまま、株価だけがどんどん上昇していくことがあります(これを「張り付き」と呼びます)。この時に「70%を超えたから売りだ!」と判断すると、大きな損失につながる可能性があります。

4. ワンランク上の使い方:「ダイバージェンス」

RSIを使いこなすための上級テクニックとして「ダイバージェンス(逆行現象)」があります。

  • 現象: 株価は高値を更新して上がっているのに、RSIの数値は下がっている(またはその逆)。
  • 意味: 「トレンドの勢いが弱まっている」サインです。
  • 活用: 株価が上がっていても、ダイバージェンスが発生していれば「そろそろトレンド転換(下落)が近い」と予測し、利確やエントリーの準備をします。

5. 実践編:勝率を上げる「RSI × ボリンジャーバンド」の組み合わせ手法

RSIの最大の弱点は「強いトレンドが発生すると、数値が張り付いて機能しなくなる」ことでした。この弱点を補う最強のパートナーが「ボリンジャーバンド」です。

ここでは、プロもよく使う2つの具体的な判定パターンを紹介します。

① 逆張り手法(レンジ相場で威力を発揮) 相場が一定の幅で動いている時、2つの指標が同時にシグナルを出したら、反転の確度は非常に高くなります。

  • 売りエントリー条件:
    1. RSIが70%以上に達している
    2. かつ、ローソク足がボリンジャーバンドの+2σ(シグマ)にタッチ(または突き抜け)している
  • 買いエントリー条件:
    1. RSIが30%以下に達している
    2. かつ、ローソク足がボリンジャーバンドの-2σ(シグマ)にタッチ(または突き抜け)している

根拠: 「買われすぎ(RSI)」かつ「統計学的に行き過ぎた価格(ボリンジャーバンド)」という2つの根拠が重なるため、単体で判断するよりも「だまし」に遭う確率を減らせます。

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② トレンド発生時の「見送り」判断(バンドウォーク) RSIが70%を超えても、ボリンジャーバンドの形によっては「売ってはいけない」場面があります。

  • 様子見のサイン:
    • RSIは70%を超えているが、ローソク足がボリンジャーバンドの+1σと+2σの間を沿うように上昇している場合(バンドウォーク)。
  • 判断:
    • これは「強い上昇トレンド」の発生を示唆しています。ここで逆張りで「売り」を入れるのは危険です。RSIが再び70%を下回ってくるまで、あるいはバンドウォークが終了するまで待つのが賢明です。

6. もう一つの具体策:移動平均線で「大きな流れ」掴む

さらに手堅くいくなら、「移動平均線」をフィルターとして使いましょう。

  • 手法: 長期移動平均線(例:75日線や200日線)の向きに逆らわない。
    • 上昇トレンド中(移動平均線が右肩上がり): RSIが30%以下になった時の「押し目買い」だけを狙う。(70%での空売りは捨てる)
    • 下降トレンド中(移動平均線が右肩下がり): RSIが70%以上になった時の「戻り売り」だけを狙う。(30%での買いは捨てる)

「トレンドには逆らわず、エントリーのタイミングだけRSIで計る」というスタイルは、サラリーマン投資家にとってもリスク管理がしやすくおすすめです。

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7. まとめ:複数の根拠を持ってエントリーしよう

(内容は前回の案をベースに、ボリンジャーバンド活用についても触れて締めます)

RSIは「今の過熱感」を教えてくれる優秀なメーターですが、ハンドル(トレンドの方向)を握っているわけではありません。 ボリンジャーバンドや移動平均線といった「地図」や「ハンドル」と組み合わせることで、初めて安全で利益の出せる運転(投資)が可能になります。

まずはチャート設定に「RSI」と「ボリンジャーバンド」の両方を表示させ、過去のチャートで2つの条件が重なったポイントを探す検証から始めてみてください。