【米国株】オラクル(ORCL)は今からでも買いか?AIブームに乗り遅れた30代が注目すべき「隠れた本命」を徹底分析
はじめに
どうも真下です。
「AIブームで米国株が盛り上がっているけれど、NVIDIAやマイクロソフトはもう高値圏で手が出しにくい…」
「かといって、訳のわからない新興株で損はしたくない」
そんな悩みを抱えている30代のサラリーマン投資家の方は多いのではないでしょうか?
本業が忙しい中、次の成長株を探すのは至難の業です。
そこで今回注目したいのが、老舗IT企業でありながら、近年劇的な復活と成長を遂げている「オラクル(ORCL)」です。
一昔前は「古いデータベースの会社」というイメージでしたが、現在はAIとクラウドの波に乗り、株価も最高値を更新し続けています。なぜ今オラクルなのか?投資判断に役立つ情報を、忙しいあなたのためにギュッと凝縮して解説します。
概要:ただの「データベース屋」ではない?
オラクルの事業構造は、ここ数年で大きく変貌を遂げました。
- メイン事業:依然として世界シェアNo.1を誇る「データベース管理システム」が収益の柱ですが、現在の成長エンジンは「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」と呼ばれるクラウドサービスです。
- 最大の強み:
- 圧倒的な顧客基盤: 世界中の大企業や政府機関がオラクルのシステムを使っており、簡単には他社へ乗り換えられない(スイッチングコストが高い)という「城壁」を持っています。
- AIへの最適化: 後発のクラウドサービスだからこそ、最初からAI開発(特に生成AI)に最適な設計がなされており、価格と処理速度の面で競合他社より優位性を持つケースが増えています。
- NVIDIAとの提携: AIチップの王者NVIDIAと強力なパートナーシップを結んでおり、AIインフラとしての地位を確立しています。
業績と株価指標
近年、オラクルはクラウド事業の急成長により、売上・利益ともに堅調です。特にクラウド部門の成長率は、競合他社を上回るペースを見せることもあります。
株価については、AI需要の高まりとともに右肩上がりのトレンドを描いています。「オールドテック(古い技術)」から「AIテック」へと評価が見直されたことによる株価上昇(マルチプル・エクスパンション)が起きています。
【主要株価指標(2025年12月現在)】
投資判断の目安となる指標をまとめました。
| 指標 | 数値目安 | 解説 |
| 予想PER (株価収益率) | 20倍〜30倍 | テック大手の中では比較的割安〜妥当な水準。 |
| 配当利回り | 約1.0%〜1.5% | 無配のテック企業が多い中、配当が出るのは魅力。 |
| 時価総額 | 超大型 | 世界屈指の規模。安定感は抜群。 |
| ベータ値 (β) | 1.0前後 | 市場平均と同程度の値動き。極端な乱高下は少ない傾向。 |
「成長株に投資したいけど、配当も少しは欲しい…」そんな30代のワガママな願い、オラクルなら叶います。 実はオラクル、隠れた「増配銘柄」でもあります。
【オラクルの配当推移イメージ(直近10年)】 ここ数年、オラクルは積極的に株主還元を行っています。
- 配当利回り: 約 0.9% 〜 1.0%
- 配当性向: 約 40%(利益の4割を配当に回しており、まだ余裕あり)
「利回り1%なんて少ない」と思いましたか? しかし、無配が当たり前のハイテク業界(AmazonやGoogleは配当ゼロ、NVIDIAも極小)において、「株価の値上がり益」を狙いながら「お小遣い(配当)」も貰えるのは、精神衛生上非常に大きなメリットです。
株価が下がった局面でも「まあ配当が出るし、持っておくか」と握力を保てるため、忙しくて頻繁に売買できないサラリーマンには最適な「お守り」になります。
データ比較:GAFAMとの違いは?
クラウド市場(AWS、Azure、Google Cloud)においては、オラクルはシェア4位以下のチャレンジャーです。しかし、投資家視点では「差別化」がポイントになります。
- vs マイクロソフト / アマゾン:これらトップ企業はすでにクラウドシェアが巨大で、成長率の鈍化が懸念されるフェーズに入りつつあります。一方、オラクルはシェアが小さい分、「拡大余地(伸び代)」が大きいのが特徴です。
- マルチクラウド戦略:最近では「オラクルのデータベースを、マイクロソフトやGoogleのクラウド上で動かす」という提携を進めています。敵対するのではなく、他社のプラットフォームに乗っかることで利益を得る、非常に賢い戦略(全方位外交)をとっています。
「オラクルの株価は上がっているけど、今買うと高値掴みにならないか?」
この不安を解消するために、投資家が最も重視する指標「予想PER(株価収益率)」でライバル企業と比較してみましょう。
【主要テック企業 予想PER比較表(2025年12月時点)】
| 企業名 | ティッカー | 予想PER (倍) | ひとこと解説 |
| オラクル | ORCL | 約 30倍 | 成長期待により評価上昇中。MSFTと同水準。 |
| マイクロソフト | MSFT | 約 30倍 | 王者。クラウド・AIの基準となる評価水準。 |
| アマゾン | AMZN | 約 32倍 | 利益率改善により、以前より割高感は薄れた。 |
| セールスフォース | CRM | 約 20 – 22倍 | 成長鈍化懸念で少し割安に放置されている印象。 |
| アドビ | ADBE | 約 21 – 22倍 | 生成AIとの競合懸念から、評価は控えめ。 |
オラクルのPER(約30倍)は、業界のリーダーであるマイクロソフトとほぼ同じ水準です。これは、市場がオラクルを「過去の遺産で食っている企業」ではなく、「AI時代の成長企業」としてマイクロソフト並みに高く評価し始めたことを意味します。
セールスフォースやアドビと比較すると少し高く見えますが、これはオラクルのクラウド事業(OCI)が他社よりも高い成長率を示していることへの「期待料」が含まれていると言えます。
「安くはないが、成長力を考えれば妥当(フェアバリュー)」というのが、現在の市場の冷静な見方です。
リスク:ここだけは注意
投資する上で「損をしたくない」と考えるなら、以下のリスクは必ず頭に入れておきましょう。
- クラウド競争の激化:AWSやAzureとの差は依然として巨大です。価格競争に巻き込まれれば利益率が低下する恐れがあります。
- 負債の多さ:過去の大型買収(医療ITのCernerなど)により、多額の負債を抱えています。高金利環境が続くと、利払い負担が重石になる可能性があります。
- 為替リスク:グローバル企業であるため、ドル高・ドル安の影響をダイレクトに受けます。
まとめ
オラクルへの投資は、30代サラリーマンにとってどのような意味を持つでしょうか。
- 安定性: 既存のデータベース事業による盤石なキャッシュフロー。
- 成長性: AI需要を取り込んだクラウド事業の急拡大。
- 株主還元: 自社株買いや配当への積極的な姿勢。
これらを兼ね備えたオラクルは、「ハイリスクなAI銘柄は怖いけれど、指をくわえて見ているのも嫌だ」という投資家にとって、ポートフォリオの守りと攻めのバランスを整える優秀な候補と言えるでしょう。
まずは、次回の四半期決算で「クラウド部門の成長率」が維持されているか、チェックすることから始めてみてはいかがでしょうか。
