そのNTT株、本当に「安心」と言えますか?

どうも真下です。

「とりあえず、知っている企業だから」

「みんなが買っているから」

「配当が良いと聞いたから」

もし、あなたがこのような理由だけで日本電信電話(NTT / 9432)への投資を考えているとしたら、少しだけ立ち止まってください。

私たち30代のサラリーマンにとって、投資は単なるギャンブルではありません。将来の教育費、老後資金、そして少しの贅沢のための大切な「資産形成」です。だからこそ、「なんとなく」で選んで、数年後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することだけは避けなければなりません。

もちろん、NTTは日本を代表する超優良企業です。2023年に行われた「25分割」によって、私たち個人投資家でもお小遣い感覚で投資できる銘柄になりました。新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠(一部)でも大人気の銘柄です。

しかし、「人気=儲かる」とは限りません。

この記事では、NTTという巨大企業の「強み」と「本当のリスク」、そしてライバル企業との数字による比較を通じて、「今、30代の私たちがNTTをポートフォリオに組み込むべきか」という問いに対する答えを探っていきます。

感情論ではなく、データに基づいた投資判断の材料を持ち帰ってください。


概要:ただの「電話屋さん」ではない、NTTの巨大な経済圏

NTTと聞いて「固定電話」や「ドコモのスマホ」だけをイメージしているなら、それは氷山の一角しか見ていないことになります。NTTは、日本の通信インフラを牛耳る「ガリバー」であり、世界有数のICT企業です。

メイン事業の構成

NTTグループの事業は大きく以下のセグメントに分かれています。

  1. 総合ICT事業(ドコモ・コム):収益の柱です。携帯電話通信(5G/6G)、光回線、そして法人向けソリューションなど、私たちの生活とビジネスの基盤を支えています。
  2. 地域通信事業(NTT東日本・西日本):日本全国に張り巡らされた光ファイバー網や通信設備を管理。安定収益の源泉ですが、人口減少による固定電話の契約減という課題も抱えています。
  3. グローバル・ソリューション事業(NTTデータなど):海外展開の要です。システム統合やクラウドサービスなど、世界中の企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援しています。
  4. その他(不動産・エネルギー・金融):保有する膨大な不動産(電話局跡地など)の活用や、グリーンエネルギー発電、金融決済(d払い)など、通信以外の分野でも収益を拡大しています。

NTT最大の「強み」:IOWN構想

今、投資家が最も注目しているのが「IOWN(アイオン)構想」です。

これは、現在の電子技術を「光」技術に置き換えることで、電力効率を100倍、伝送容量を125倍、遅延を200分の1にするという次世代の通信基盤構想です。

AIの進化により世界中でデータセンターの電力消費量が問題になる中、NTTの光技術は「ゲームチェンジャー」になる可能性を秘めています。これは、単なる通信会社から「世界のインフラ企業」へ脱皮できるかの鍵を握っています。


業績と株価指標:安定感は抜群だが、成長性は?

では、投資家として最も気になる「数字」を見ていきましょう。

NTTの業績を一言で表すと「安定的かつ、増配への意欲が高い」です。

長らく「連続増配」を意識した経営を行っており、株主還元への意識は日本企業の中でもトップクラスです。自社株買いも積極的に行い、株価の下支えを行ってきました。

主要な株価指標(バリュエーション)

現在の株価水準が「割安」なのか「割高」なのか、指標を確認します。

指標数値(目安)30代投資家への解説
予想PER(株価収益率)11倍 ~ 12倍日本株の平均(約15倍)より低く、割安感があります。過度な期待が乗っていない証拠です。
PBR(株価純資産倍率)1.0倍 ~ 1.1倍解散価値である1倍付近。下値不安が少ない水準と言えます。
配当利回り3.0% ~ 3.6%高配当株の目安である3%を超えており、インカムゲイン(配当収入)狙いに適しています。
ROE(自己資本利益率)10%前後巨大企業としては合格ライン。効率的に稼ぐ力を持っています。

株価の動き(トレンド)

2023年の株式分割以降、個人投資家の買いが殺到しましたが、その後は一本調子で上がり続けているわけではありません。

特に、「NTT法の改正議論」や「金利上昇懸念」といったニュースが出るたびに、株価は調整(下落)する局面も見られます。

しかし、30代の長期投資家にとっては、こうした調整局面こそが「安く仕込めるチャンス」とも言えます。短期間で株価が2倍、3倍になる銘柄ではありませんが、じっくりと保有し、配当を再投資していくスタイルには最適の動きをしています。


データ比較:KDDI・ソフトバンクと比べてどうなのか?

通信株への投資を考える際、必ず比較対象になるのが「KDDI(9433)」と「ソフトバンク(9434)」です。

「どれか一つ」にするか、「分散して持つ」か。それぞれの特徴を整理しました。

比較項目NTT (9432)KDDI (9433)ソフトバンク (9434)
特徴通信の王様
圧倒的インフラと研究開発力
バランスの優等生
通信×金融×ライフデザイン
高配当の雄
PayPay経済圏と高い還元姿勢
配当利回り中~高 (約3.3%)中 (約3.2%)高 (約5.0%前後)
株主優待dポイント付与
(長期保有特典)
カタログギフト等
(※制度変更あり要確認)
なし
成長ドライバーIOWN構想、海外事業ローソン連携、金融PayPay、LINEヤフー連携
こんな人におすすめ安定性重視
長期で雪だるま式に資産を増やしたい人
優待・バランス重視
生活圏をau/Pontaで固めている人
キャッシュ重視
今の現金収入(配当)を最大化したい人

結論:

  • NTT: 王道のディフェンシブ銘柄として、ポートフォリオの「守り」の中核に。
  • ソフトバンク: より高い配当利回りを求める場合のサテライト(脇役)として。
  • KDDI: 安定成長と連続増配の安心感を求めるならNTTと並行して。

NTTは利回りだけで見ればソフトバンクに劣りますが、「減配リスクの低さ」「国策企業としての倒産リスクの無さ」という点では頭一つ抜けています。

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リスク:NTTにも「死角」はある

「NTTなら絶対に安心」と信じ込むのは危険です。投資家として以下のリスクは必ず認識しておきましょう。

  1. 「NTT法」改正と政府保有株の売却現在、政府はNTT株の約3分の1を保有することが法律で義務付けられています。防衛費増額の財源確保などのために「政府が保有株を売る(市場に大量の株が放出される)」という議論が出ると、需給悪化の懸念から株価が下がることがあります。
  2. 金利上昇によるコスト増通信業は巨大な設備投資が必要なため、多額の有利子負債(借金)を抱えています。日銀の利上げにより借入金の金利負担が増えれば、利益を圧迫する要因になります。
  3. 政治・規制のリスク過去に「携帯料金値下げ」が政治主導で行われたように、通信料金は政府の意向に左右されやすいビジネスです。収益源である通信料に下方圧力がかかることは常に潜在的なリスクです。

まとめ:30代サラリーマンはNTTとどう付き合うべきか

ここまでNTTの強みとリスクを見てきました。

結論として、NTTは「30代サラリーマンが長期で資産形成をするなら、ポートフォリオの土台(コア)に据えるべき銘柄の一つ」と言えます。

【NTT投資のポイント】

  • 一攫千金は狙わない: 短期で大儲けする銘柄ではありません。
  • 下落時はチャンス: 政府保有株の売却懸念などで株価が下がった時は、長期的な買い場になる可能性が高いです。
  • 新NISAの活用: 配当金(インカムゲイン)を非課税で受け取り続ける「配当マシーン」として育てるのに適しています。

私たち30代には「時間」という武器があります。

目先の株価変動に一喜一憂せず、NTTのような堅牢なビジネスモデルを持つ企業の株をコツコツと積み上げ、配当を再投資していく。地味ですが、これこそがサラリーマンにとって最も再現性の高い資産形成術ではないでしょうか。

あなたのポートフォリオに「安心の盾」としてNTTを組み込む検討をしてみてはいかがでしょうか。

※本記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。

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