【勝率アップ】ディナポリ手法とは?DMAとフィボナッチで相場を先読みする極意
どうも真下です。
「移動平均線のゴールデンクロスで買ったのに、すぐに下がってしまった」 「MACDやRSIを見ているが、いつもサインが出るのが遅い気がする」
投資をしていると、このような「インジケーターの遅行性(価格が動いた後にサインが出ること)」に悩まされる場面が多々あります。もし、相場の動きを「後追い」するのではなく、「先読み」できる手法があるとしたらどうでしょうか?
今回は、世界中のトレーダーから支持される「ディナポリ手法(DiNapoli Levels)」について解説します。
一般的なテクニカル分析とは一線を画すこの手法は、トレンドの初動を捉え、精度の高い押し目買い・戻り売りを可能にします。その核心にある「DMA」と「フィボナッチ」の魔術を紐解いていきましょう。
1. ディナポリ手法(DiNapoli Levels)とは?
ディナポリ手法とは、40年以上のキャリアを持つ米国のベテラン・トレーダー、ジョー・ディナポリ(Joe DiNapoli)氏が考案したテクニカル分析手法です。
彼は、多くのトレーダーが使用する一般的な指標が「遅行指標(Lagging Indicator)」であることに限界を感じ、価格変動に先行して反応する「先行指標(Leading Indicator)」の確立を目指しました。
その結果生まれたのが、以下の2つを組み合わせた独自のアプローチです。
- DMA(Displaced Moving Average):ずらした移動平均線
- フィボナッチ(Fibonacci):黄金比を用いた水準
この2つを組み合わせることで、「トレンドの方向性」を正確に把握しつつ、「どこで反転するか」というターゲット価格をあらかじめ予測することを可能にしています。
2. ディナポリ・チャートの核「DMA」の設定
ディナポリ手法を理解する上で、絶対に欠かせないのがDMA(Displaced Moving Average)です。日本語では「ずらした移動平均線」と呼ばれます。
通常の単純移動平均線(SMA)は、直近の価格を含めて平均化するため、どうしても値動きより遅れて表示されます。しかし、ディナポリ氏は「移動平均線を未来(右方向)にずらす」ことで、この遅れを解消し、トレンド転換やサポート・レジスタンスとしての機能を強化しました。
ディナポリ・チャートの基本設定(3本のDMA)
チャートソフト(MT4/MT5、TradingViewなど)で設定する際は、単純移動平均線(SMA)を選択し、「シフト(Shift)」や「オフセット(Offset)」という項目に数値を入力します。
ディナポリ手法では、以下の3本のDMAを使用するのが基本です。
- 3×3 DMA(短期線)
- 期間:3
- シフト(右にずらす):3
- 役割:短期的なトレンド判断、エントリーのトリガー。
- 7×5 DMA(中期線)
- 期間:7
- シフト(右にずらす):5
- 役割:中期的なトレンド判断、サポート・レジスタンス。
- 25×5 DMA(長期線)
- 期間:25
- シフト(右にずらす):5
- 役割:長期的なトレンドの方向性を示す。
なぜ「ずらす」のか?
移動平均線を未来にずらすことで、ローソク足と移動平均線の間に「空間」が生まれます。これにより、「ローソク足が移動平均線を完全に実体で抜けた時」を明確なトレンド転換シグナルとして捉えることができるようになります。通常のSMAで頻発する「触れたけど戻った」というダマシを減らす効果があるのです。
3. トレンド判断のルール
DMAを表示させたら、次はトレンドの環境認識です。ディナポリ手法でのトレンド判断は非常にシンプルです。
- 上昇トレンド
- ローソク足が「25×5 DMA」の上にある状態。
- 基本戦略:買い(ロング)のみを狙う。
- 下降トレンド
- ローソク足が「25×5 DMA」の下にある状態。
- 基本戦略:売り(ショート)のみを狙う。
このように、まずは長期線である25×5 DMAと価格の位置関係で「売り買いの目線」を固定します。その上で、短期線である3×3 DMAを使って具体的なエントリータイミングを計ります。
4. 代表的なトレード戦略①:シングル・ペネトレーション(押し目・戻り)
ディナポリ手法の中で、最も頻繁に現れ、かつ利益を上げやすい基本パターンが「シングル・ペネトレーション」です。いわゆる「押し目買い・戻り売り」の戦略です。
これを成功させるには、フィボナッチ・リトレースメントの知識が必要になります。
【買いパターンの手順】
- 強いトレンドの発生
- ローソク足が3×3 DMAを上抜け、強く上昇している状態(8本以上、3×3 DMAの上で推移するのが理想)。
- 最初の下落(押し目)
- 価格が下落し、3×3 DMAを下回る。
- ここで「トレンドが終わった」とは判断せず、「押し目が来た」と捉えます。
- フィボナッチ・リトレースメントを引く
- 直近の上昇トレンドの安値から高値にフィボナッチを引きます。
- エントリーポイント
- 38.2%押し、または61.8%押しのラインで指値買いを入れます。
- ディナポリ氏は特に38.2%を重視します。
- 利益確定と損切り
- 利益確定は、フィボナッチ・エクスパンションなどを用いて算出しますが、初心者であれば「直近高値」や「十分な値幅」で利食いを行います。
この手法は「ブレッド・アンド・バター(Bread & Butter)」とも呼ばれ、日々の糧を得るための最も堅実なトレードとされています。
5. 代表的なトレード戦略②:ダブル・レポ(トレンド転換)
「ダブル・レポ(Double Repo)」は、「Double Repenetration(2回の再貫通)」の略で、トレンドの天井や大底を示唆する強力な反転シグナルです。
一般的なチャートパターンの「ダブルトップ」や「ダブルボトム」に似ていますが、判定基準に3×3 DMAを使う点が異なります。
【天井(売り)パターンの手順】
- 上昇トレンド中
- 価格が3×3 DMAの上で推移している。
- 1回目のクロス
- 価格が3×3 DMAを下抜ける(1回目の貫通)。
- 再上昇
- 価格が再び上昇し、3×3 DMAの上に戻る。
- しかし、直近の高値を更新できない(あるいは更新してもすぐに戻される)。
- 2回目のクロス(エントリーポイント)
- 価格が再び下落し、3×3 DMAを再度下抜ける(2回目の貫通)。
- この瞬間が「売り」のエントリーシグナルです。
視覚的な特徴
ダブル・レポは、チャート上で「M」の字(天井圏)や「W」の字(底値圏)を描きます。重要なのは、**「2回目に3×3 DMAを割った(超えた)瞬間」**の勢いです。ここでの反転は非常に強いシグナルとなり、大きなトレンド転換の初動となるケースが多く見られます。
6. ディナポリ手法の注意点と活用法
完璧な手法は存在しない
ディナポリ手法は非常に精度の高い分析方法ですが、万能ではありません。特に、値幅の狭いレンジ相場(保ち合い)では、DMAとローソク足が頻繁に交差してしまい、ダマシが多くなります。
「今はトレンドが出ているのか?」「レンジなのか?」を25×5 DMAなどで大局的に判断し、トレンドが明確な時や、明確な反転シグナルが出た時だけトレードするという規律が重要です。
マルチタイムフレーム分析との併用
ディナポリ氏は、複数の時間足を組み合わせる分析も推奨しています。 例えば、日足で「25×5 DMA」の上にあり上昇トレンドと判断したら、1時間足や15分足で「シングル・ペネトレーション」の押し目買いポイントを探す、といった具合です。
まとめ:DMAとフィボナッチで相場のリズムを掴む
ディナポリ手法は、一見複雑な計算式のようにも見えますが、チャートに設定してしまえば視覚的で非常にわかりやすい手法です。
- 3本のDMA(3×3, 7×5, 25×5)を表示させる。
- 25×5でトレンドの方向を見る。
- 3×3と価格のクロスでタイミングを計る。
- フィボナッチで反転ポイントを予約する。
このプロセスを徹底することで、感情に左右されない、根拠のあるトレードが可能になります。
まずは、お使いのチャートソフトで「期間3、シフト3」の単純移動平均線を表示させてみてください。今まで見えていなかった相場の「本当の転換点」が見えてくるかもしれません。
※免責事項 本記事は技術的分析手法の紹介を目的としており、利益を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

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