ウィリアムズ%R(Williams %R)とは?短期売買の強力な武器を使いこなそう

どうも真下です。

「相場の転換点を誰よりも早く察知したい」

「RSIを使っているけれど、タイミングが遅れてしまう」

そんな悩みを持つトレーダーにおすすめしたいのが、ウィリアムズ%R(Williams %R)です。

1966年に著名なトレーダーであるラリー・ウィリアムズ(Larry Williams)によって考案されたこの指標は、その反応の早さと敏感さから、特にデイトレードやスイングトレードなどの短期売買で絶大な人気を誇ります。

しかし、敏感であるということは、それだけ「ダマシ」も多いということ。正しい使い方を知らなければ、無駄な損切りを繰り返すことになりかねません。

この記事では、ウィリアムズ%Rの基礎知識から計算式、そしてプロも実践する「ダマシ」を回避して利益を狙う具体的なトレード手法までを徹底解説します。


1. ウィリアムズ%Rの基礎知識

どんなインジケーター?

ウィリアムズ%Rは、オシレーター系(逆張り系)のテクニカル指標です。現在の価格が、過去一定期間の変動幅の中で「どの位置にあるか」を示し、相場の「買われすぎ(過熱感)」や「売られすぎ(底値感)」を判断するために使われます。

RSIやストキャスティクスとの違い

よく比較されるRSI(相対力指数)との最大の違いは、「反応の速さ」です。

RSIがなだらかに動くのに対し、ウィリアムズ%Rは価格の動きに対して非常に敏感に反応します。そのため、相場の反転をいち早く捉えることができますが、その分ノイズ(小さな値動き)も拾いやすいという特徴があります。

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目盛りの特徴(0% 〜 -100%)

ウィリアムズ%Rの最大の特徴は、数値がマイナス表示であることです。

  • 0%: 最高値と同じ価格(最も強い)
  • -100%: 最安値と同じ価格(最も弱い)

チャートソフトによっては正の数(0〜100)で表示されることもありますが、基本的には「上に行くほど買われすぎ」「下に行くほど売られすぎ」という構造は変わりません。

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2. ウィリアムズ%Rの計算式と仕組み

少し専門的になりますが、計算式を知ることでインジケーターの本質が見えてきます。

基本設定である期間(n)=14日とした場合の計算式は以下の通りです。

$$\%R = \frac{\text{過去}n\text{日間の最高値} – \text{当日の終値}}{\text{過去}n\text{日間の最高値} – \text{過去}n\text{日間の最安値}} \times -100$$

この式が意味しているのは、「過去の値幅(レンジ)の中で、今の終値がどれくらい天井に近いか」ということです。

分子が小さくなればなるほど(終値が最高値に近づくほど)、数値は0に近づきます。


3. 基本的な見方と売買シグナル

ウィリアムズ%Rの使い方は非常にシンプルです。まずは以下の3つのゾーンを覚えましょう。

① 買われすぎゾーン(0% 〜 -20%)

数値が-20%以上(0%に近い)にある時は、相場が「買われすぎ」の状態です。

上昇トレンドが過熱しており、そろそろ利益確定の売りが出る可能性があることを示唆します。

② 売られすぎゾーン(-80% 〜 -100%)

数値が-80%以下(-100%に近い)にある時は、相場が「売られすぎ」の状態です。

下落トレンドが行き過ぎており、そろそろ買い戻しが入る可能性があることを示唆します。

③ 基本的なエントリータイミング

  • 売りサイン: -20%以上のゾーンから、下抜けた瞬間。
  • 買いサイン: -80%以下のゾーンから、上抜けた瞬間。

【重要】 ゾーンに入った瞬間にエントリーするのは危険です。強いトレンドが出ている時は、ずっとゾーン内に張り付くことがあるからです(後述)。必ず「ゾーンから出てきた瞬間」を狙うのがセオリーです。


4. 勝率を上げるための実践トレード手法

教科書通りの使い方だけでは、実際の相場で勝ち続けるのは困難です。ここでは、より実戦的な2つのテクニックを紹介します。

手法① ガーベージトップ・ガーベージボトム(張り付き)

ウィリアムズ%Rの欠点でもあり、強みでもあるのが「張り付き」現象です。

  • ガーベージトップ: 上昇トレンドが非常に強い場合、数値が何度も0%〜-20%の間を行き来し、張り付きます。
  • ガーベージボトム: 下落トレンドが非常に強い場合、数値が何度も-80%〜-100%の間を行き来し、張り付きます。

対策:

数値が極端な位置に張り付いている時は、「逆張り」をしてはいけません。むしろ「トレンド継続」のサインと捉え、順張り(トレンドフォロー)を継続、もしくは静観するのが正解です。

手法② ダイバージェンス(逆行現象)

オシレーター系指標の最強シグナルとも言われるのが「ダイバージェンス」です。

  • 弱気のダイバージェンス: 価格は高値を更新して上がっているのに、ウィリアムズ%Rは高値を更新できずに下がっている状態。→ 強力な売りサイン(トレンド転換の予兆)
  • 強気のダイバージェンス: 価格は安値を更新して下がっているのに、ウィリアムズ%Rは安値を更新せずに上がっている状態。→ 強力な買いサイン(トレンド転換の予兆)

この現象が発生した後に、先述の「ゾーン抜け」が起これば、非常に信頼度の高いエントリーポイントとなります。


5. 推奨設定期間(パラメーター)

ウィリアムズ%Rのデフォルト設定は通常「14」です。多くのトレーダーがこの数値を見ているため、基本的には「14」のままで問題ありません。

しかし、トレードスタイルに合わせて微調整することも可能です。

  • 期間を短くする(例:9, 10):反応がより敏感になります。スキャルピングなど超短期売買向きですが、ダマシも増えます。
  • 期間を長くする(例:20, 28):反応が滑らかになります。ダマシは減りますが、エントリーサインが遅れる可能性があります。

最初は「14」で慣れ、自分の感覚に合わせて調整することをおすすめします。


6. ウィリアムズ%Rの弱点と注意点

万能なインジケーターは存在しません。ウィリアムズ%Rにも明確な弱点があります。それは、「強いトレンド相場では機能しなくなる」ことです。

前述の通り、強いトレンドが発生すると、数値が天井(0%)や底(-100%)に張り付いてしまい、「売られすぎだから買いだ!」と思ってエントリーしても、さらに価格が下がっていくことがあります。

【対策:他の指標と組み合わせる】

この弱点を補うために、トレンド系指標と組み合わせるのが鉄則です。

  • 移動平均線: 大きなトレンドの方向を確認する。移動平均線が上向きなら、ウィリアムズ%Rの「買いサイン」だけを採用し、「売りサイン」は無視する。
  • ボリンジャーバンド: バンドの収縮(スクイーズ)や拡大(エクスパンション)を確認し、レンジ相場なのかトレンド相場なのかを判断する。

まとめ:ウィリアムズ%Rを使いこなすコツ

ウィリアムズ%Rは、相場の「転換点」を素早く見つけるための非常に優秀なツールです。最後に重要なポイントを振り返りましょう。

  1. 0%〜-20%は買われすぎ、-80%〜-100%は売られすぎを示す。
  2. エントリーはゾーンに入った時ではなく、ゾーンから「抜けた」時
  3. 強いトレンド時の「張り付き」には逆らわない。
  4. ダイバージェンスは高確率な反転シグナル。
  5. 単体で使わず、移動平均線などでトレンド方向を確認してから使う。

この指標の「敏感さ」を味方につければ、誰よりも早く有利なポジションを取ることができるようになります。まずはデモトレードや過去検証で、その反応の癖を掴んでみてください。

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