どうも真下です。

相場の世界には、まるで魔法のように価格が止まり、反転していく不思議なラインが存在します。

「なぜかこの価格帯で下げ止まった」 「急上昇したあと、ぴったりこの位置まで戻して再上昇した」

もし、あなたがチャートを見ていてそう感じたことがあるなら、それはおそらく**「フィボナッチ」**が機能していた瞬間かもしれません。

フィボナッチ分析は、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見した「フィボナッチ数列」をトレードに応用したテクニカル指標です。自然界の美しい花びらの配置や巻貝の渦巻きに見られる「黄金比」が、実は人間の心理が集合したマーケット(株式市場や為替市場)にも当てはまるという考え方に基づいています。

今回は、世界中のトレーダーが愛用するこの「フィボナッチ」について、基礎から実践的なトレード戦略までを徹底的に解説していきます。


1. なぜ相場で「黄金比」が機能するのか?

まず、フィボナッチ数列とは何かを簡単におさらいしましょう。 「1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89…」 このように、前の2つの数字を足すと次の数字になる数列です。この数列において、隣り合う数字の比率は、数が大きくなるほどある一定の値に近づいていきます。

それが「1 : 1.618」、または「0.618 : 1」です。

この「1.618」や「0.618」という数字こそが、人間が最も美しいと感じ、安定を感じる比率**「黄金比(Golden Ratio)」**です。

投資家心理と黄金比

では、なぜこれがチャート分析で使えるのでしょうか? それは、相場を動かしているのが「人間」だからです。

投資家が「そろそろ下がりすぎかな?」「この辺りで買いたいな」と無意識に感じるポイントが、集団心理として黄金比率(特に38.2%や61.8%)に収束しやすいと言われています。また、現在ではあまりにも多くのトレーダーやAIアルゴリズムがフィボナッチを監視しているため、「みんなが見ているから止まる」という自己成就的予言の側面も強く持っています。


2. 覚えておくべき「魔法の数字」

フィボナッチ分析にはいくつかの種類がありますが、最も基本となる数字(比率)は以下の通りです。トレーディングツールには自動で表示されますが、意味を理解しておきましょう。

  • 23.6%: 浅い調整。トレンドが非常に強い時に見られます。
  • 38.2%: 最も一般的な調整ライン。健全なトレンド継続のサインです。
  • 50.0%: フィボナッチ数列ではありませんが、「半値戻し」として相場の世界では非常に重要視される心理的節目です。
  • 61.8%: 「黄金比」そのもの。深い調整ですが、ここで反発すれば大きな利益チャンスになります。
  • 78.6% / 76.4%: トレンドが崩れるかどうかの最終防衛ラインです。

3. 【実践】フィボナッチ・リトレースメントの使い方

最もポピュラーな手法が「フィボナッチ・リトレースメント(Fibonacci Retracement)」です。「リトレースメント」とは「引き返し、後戻り」を意味し、トレンドの一時的な調整(押し目や戻り)がどこまで続くかを予測するために使います。

エントリーポイントを探る(押し目買い)

例えば、株価が1,000円から2,000円まで上昇したとします(上昇トレンド)。 しかし、価格は一直線には上がりません。必ず利益確定の売りが出て、一時的に下がります。この「一時的な下げ」がどこで止まるかを予測します。

  1. ツールの使い方: チャート上の「安値(起点)」から「高値(終点)」に向かってドラッグして線を引きます。
  2. 待ち伏せ戦略:
    • 価格が下がってきて、38.2%のラインにタッチしました。ここで反発のサイン(陽線の出現など)が見えれば、「押し目買い」のエントリーチャンスです。
    • もし売りが強ければ、次の50.0%(半値押し)、あるいは**61.8%**まで下落するのを待ちます。

61.8%の重要性

特に注目すべきは61.8%のラインです。 上昇トレンドにおいて、ここまで価格が落ちてくると「かなり下がった」と多くの人が感じます。しかし、ここで踏みとどまって反発した場合、そこからの上昇エネルギーは非常に大きくなる傾向があります。逆に、61.8%を明確に割り込んでしまうと、「トレンド転換(上昇終了)」とみなされ、売りが加速するリスクがあります。


4. 【応用】フィボナッチ・エクスパンションで利益確定

「どこで買うか(エントリー)」が分かったら、次は「どこで売るか(利益確定)」を知る必要があります。ここで役立つのが「フィボナッチ・エクスパンション(Expansion)」です。

リトレースメントが「戻り」を測るのに対し、エクスパンションは「トレンドが再開した後、どこまで伸びるか」を予測します。

目標株価の設定

上昇トレンドの「N字波動」をイメージしてください。

  1. 安値から高値へ上昇(第1波)
  2. 高値から調整の下落(第2波)
  3. そこから再上昇(第3波)

この「第3波」がどこまで伸びるかを予測する際、以下の数字がターゲットになります。

  • 100%: 第1波と同じ値幅分だけ上昇する地点(N計算値)。
  • 161.8%: トレンドが強い場合の一般的な到達目標。
  • 261.8%: 非常に強いトレンドが出た場合の最終目標。

「リトレースメントで61.8%の押し目を拾い、エクスパンションの161.8%で利益確定する」 これが、フィボナッチ使いのトレーダーにとっての理想的なシナリオの一つです。


5. フィボナッチの精度を上げる「組み合わせ技」

フィボナッチは強力なツールですが、単体で使うと「ダマシ」に合うこともあります。勝率を高めるためには、他のテクニカル指標との「コンフルエンス(重複)」を探すことが重要です。

移動平均線との組み合わせ

フィボナッチの38.2%ラインと、上昇してきている「25日移動平均線」や「75日移動平均線」がちょうど重なる場所があったとします。 これは、「フィボナッチを見ている投資家」と「移動平均線を見ている投資家」の両方が「買いだ!」と判断するポイントです。根拠が2つ重なるため、反発の確率は格段に上がります。

水平線(レジサポ転換)との組み合わせ

過去に「レジスタンス(上値抵抗)」として機能していた価格帯が、フィボナッチの50.0%ラインと重なっていた場合、そこは非常に強力な「サポート(下値支持)」として機能しやすくなります。

ロウソク足のプライスアクション

フィボナッチのラインにタッチした瞬間にエントリーするのではなく、そのライン上で**「下ヒゲの長いロウソク足」「包み足」**などの反転シグナルが出たことを確認してからエントリーすることで、精度はさらに向上します。


6. まとめ:相場の地図を手に入れよう

フィボナッチ分析は、決して「未来を予知する水晶玉」ではありません。しかし、相場という広大な海において、「現在地」と「次の目的地」を示してくれる「航海図」のような役割を果たしてくれます。

  • 上昇トレンド中の調整は、38.2%〜61.8%で止まりやすい。
  • 利益確定の目標は、161.8%を目安にする。
  • 他の指標と重なるポイントは、最強のエントリーチャンス。

この3点を意識するだけでも、無闇に高値掴みをしたり、狼狽売りをしてしまったりする回数は減るはずです。

もしあなたが今、チャートに何も線を引かずにトレードをしているのなら、ぜひ一度フィボナッチ・リトレースメントを引いてみてください。「なぜ今まで気づかなかったんだ」と思うほど、価格がそのラインで反応している事実に驚くことでしょう。

自然界の神秘「黄金比」を味方につけ、一歩進んだ根拠のあるトレードを始めてみませんか。



次にあなたがすべきアクション

  1. 過去チャートでの検証: 普段監視している銘柄(例えばトヨタや三菱UFJなど)の過去のチャートを開き、目立つ安値と高値にフィボナッチ・リトレースメントを当ててみてください。「本当に61.8%や38.2%で止まっているか」を確認するだけで、相場観が養われます。
  2. デモトレードでの練習: 実際のお金を投じる前に、次の押し目が来たタイミングでフィボナッチを引き、反発を予測するシミュレーションを行ってみましょう。

免責事項: 本記事は技術的な解説を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴いますので、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

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