【テクニカル分析】アルーン(Aroon)の使い方を完全攻略!トレンドの「初動」を掴む最強指標とは?
どうも真下です。
株式投資やFXにおいて、「トレンドに乗る」ことは利益を上げるための鉄則です。しかし、チャートを見ていてこんな悩みを持ったことはないでしょうか?
「今の上昇は本物なのか?」
「トレンドが終わったことに気づかず、逃げ遅れてしまった」
「レンジ相場(持ち合い)で往復ビンタを食らってしまった」
移動平均線やMACDなどの有名な指標を使っていても、どうしても反応が遅れてしまうことがあります。そこで今回ご紹介したいのが、「時間」の概念を取り入れたユニークかつ強力なテクニカル指標、「アルーン(Aroon)」です。
日本ではまだMACDやRSIほどメジャーではないかもしれませんが、欧米のトレーダーの間では「トレンドの夜明け(始まり)」を告げる指標として重宝されています。
この記事では、アルーンの基礎知識から計算式、そして明日から使える実践的な売買シグナルまで、徹底的に解説します。これを読めば、相場の「転換点」をより鋭く察知できるようになるはずです。
1. アルーン(Aroon)とは何か?
アルーン(Aroon)は、1995年にインド出身のテクニカルアナリスト、トゥーシャー・シャンデ(Tushar Chande)氏によって開発されました。「Aroon」とはサンスクリット語で「暁(あかつき)の光」や「夜明けの早い光」を意味します。
その名の通り、「新しいトレンドの始まり(夜明け)をいち早く捉える」ことを目的に作られた指標です。
価格ではなく「時間」に着目する
多くのオシレーター系指標(RSIなど)は、「値幅(価格の変動率)」に注目します。しかし、アルーン最大の特徴は、「高値・安値を付けてからどれくらいの期間(時間)が経過したか」に焦点を当てている点です。
- 直近で高値を更新したなら、上昇トレンドが強い
- 直近で安値を更新したなら、下降トレンドが強い
- しばらく高値も安値も更新していないなら、トレンドがない(レンジ)
このように、価格の上昇幅・下落幅ではなく、「新値更新からの日数」を数値化することで、トレンドの有無と強弱を判断します。
2. アルーンの構成と計算式
アルーンは、通常チャートの下に表示され、以下の2本のラインで構成されています。
- アルーン・アップ(Aroon Up):上昇トレンドの強さを測るライン
- アルーン・ダウン(Aroon Down):下降トレンドの強さを測るライン
どちらも 0〜100 の数値の間で推移します。
計算式(期間設定は通常「25」)
一般的に、パラメーター(期間)は「25日(または25本)」が推奨されています。
- アルーン・アップ$$\frac{\text{設定期間} – \text{期間内最高値からの経過日数}}{\text{設定期間}} \times 100$$
- アルーン・ダウン$$\frac{\text{設定期間} – \text{期間内最安値からの経過日数}}{\text{設定期間}} \times 100$$
【イメージによる理解】
計算式は難しく見えるかもしれませんが、理屈は非常にシンプルです。
- もし「今日」、25日間の最高値を更新したら?
- 経過日数は「0日」です。計算式は $(25-0)/25 \times 100 = 100$ となります。
- つまり、アルーン・アップが100=最強の状態です。
- もし最高値を更新したのが「25日前」だったら?
- 経過日数は「25日」です。計算式は $(25-25)/25 \times 100 = 0$ となります。
- つまり、アルーン・アップが0=上昇力が枯渇している状態です。
アルーン・ダウンも同様で、直近で安値を更新していれば100に近づき、安値更新から時間が経つほど0に近づきます。
3. アルーンの基本的な見方と売買シグナル
アルーンをチャートに表示させると、2本の線が交差しながら動いているのがわかります。ここから読み取れる主なシグナルは以下の3つです。
① トレンドの発生(70以上と30以下)
アルーンにおいて、「70」と「30」というラインは非常に重要です。
- 強い上昇トレンド:
- アルーン・アップが 70以上 で推移
- かつ、アルーン・ダウンが 30以下 で推移
- 解説: 高値を頻繁に更新しており、かつ安値更新はずっと起きていない状態です。
- 強い下降トレンド:
- アルーン・ダウンが 70以上 で推移
- かつ、アルーン・アップが 30以下 で推移
- 解説: 安値を頻繁に更新しており、上昇の兆しが見えない状態です。
② クロスによる売買シグナル
2本のラインの交差(クロス)は、トレンド転換の最もわかりやすいサインです。
- 買いシグナル(ゴールデンクロス的役割):
- アルーン・アップが、アルーン・ダウンを下から上へ突き抜けたとき。
- これは「下降の勢いよりも、上昇の勢い(高値更新の頻度)が勝った」瞬間を示唆します。
- 売りシグナル(デッドクロス的役割):
- アルーン・ダウンが、アルーン・アップを下から上へ突き抜けたとき。
- 上昇トレンドが終わり、下落圧力が強まっているサインです。
③ レンジ相場(トレンドレス)の発見
これがアルーンの最も優れた機能の一つかもしれません。
- レンジ相場(持ち合い):
- アルーン・アップとアルーン・ダウンが、共に 50以下 で推移しているとき。
- または、2本のラインが平行に横ばいになっているとき。
この状態は、「高値も更新していないし、安値も更新していない」ことを意味します。このシグナルが出ている時は、「無理にトレードしない」または「レンジブレイクを待つ」という戦略が有効になります。MACDなどのトレンド系指標では判断しづらい「休むべき相場」を明確に教えてくれるのです。
4. アルーン・オシレーターとの違い
チャートソフトによっては、「アルーン」の他に「アルーン・オシレーター(Aroon Oscillator)」という指標が入っていることがあります。これはアルーン・アップとダウンを1本の線に合成したものです。
- 計算式: アルーン・アップ - アルーン・ダウン
- 範囲: -100 ~ +100
- +100に近い: 強い上昇トレンド
- -100に近い: 強い下降トレンド
- 0付近: レンジ相場
シンプルに見たい場合はオシレーター版も有効ですが、2本の線の位置関係(どちらも低い位置にあるか等)を詳細に把握できるため、基本的には通常の「アルーン(2本線)」の使用をおすすめします。
5. 実践!アルーンを使ったトレード戦略
ここからは、実際のトレードでどのようにアルーンを活用すべきか、具体的なシナリオを紹介します。
戦略A:強気トレンドへの順張り(押し目買い)
単にクロスしただけで買うと、「ダマシ」に合うことがあります。より確度を高めるには、「70/30ライン」を活用します。
- エントリー条件:
- アルーン・アップが下から上昇し、アルーン・ダウンをクロスする。
- その後、アルーン・アップが70を超え、さらに100に張り付く動きを確認する。
- この時、アルーン・ダウンが30以下に沈んでいることを確認してエントリー。
- 利益確定(エグジット):
- 100に張り付いていたアルーン・アップが、70を割り込んだタイミング。
- あるいは、アルーン・ダウンとクロスしたタイミング。
この手法は、トレンドが本格化したことを確認してから入るため、頭から尻尾までは取れませんが、最も「おいしい胴体部分」を安全に狙うことができます。
戦略B:レンジブレイク狙い
多くのトレーダーが損失を出すのが、トレンドがない時の無駄なエントリーです。
- 監視フェーズ:
- アルーン・アップとダウンが共に 50以下 で推移している期間を探す。
- この期間は「エネルギーを溜めている期間」と考え、エントリーせずに監視リストに入れる。
- エントリー条件:
- どちらか一方のラインが急上昇し、50のライン(または70のライン)を突破した瞬間に順張りでエントリー。
長く続いた静寂(レンジ)が破られた瞬間は、大きなトレンドが発生しやすいため、アルーンのこの特性は非常に優位性があります。
6. アルーンの注意点とデメリット
万能に見えるアルーンにも弱点はあります。
- 急激な価格変動への反応:アルーンは「期間内の最高値・最安値」を基準にするため、例えば「昨日大暴落して安値を更新し、今日急騰して高値を更新した」ような、乱高下の激しい相場では、アップとダウンが頻繁に入れ替わり(ウィップソー)、シグナルが役に立たなくなることがあります。
- 遅行性:「トレンドの初動」を捉えるとは言え、あくまで過去25日間のデータを参照しています。超短期のスキャルピングなどでは、シグナルが出た時にはすでに価格が動きすぎている場合があります。
対策:他の指標との組み合わせ
アルーン単体で使うのではなく、移動平均線(200日線などの長期線)で大きな環境認識を行い、そのトレンド方向へのアルーンシグナルのみを採用する「フィルター」をかけることで、勝率をグッと高めることができます。
まとめ:アルーンで「相場の現在地」を知る
アルーンは、「価格」ではなく「時間」というフィルターを通して相場を見ることで、他のトレーダーとは違った視点を提供してくれます。
- アルーン・アップが高い = 最近高値を更新した(上昇意欲が強い)
- 両方とも低い = 誰も攻めていない(レンジ相場)
このシンプルかつ本質的なロジックを理解すれば、無駄なエントリーが減り、自信を持ってトレンドに乗れるようになるでしょう。
もし、あなたが「いつトレンドが終わるのか不安だ」「レンジ相場で消耗してしまう」と感じているなら、ぜひ一度チャートにアルーンを表示させてみてください。今まで見えなかった「相場の夜明け」が見えてくるはずです。

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