どうも真下です。

株式投資やFXにおいて、チャートを開いた瞬間にどこを見ていますか? 移動平均線の傾きでしょうか?それともRSIの数値でしょうか?

もちろんそれらも有効な武器ですが、世界中の機関投資家やプロトレーダーが最も重要視している情報は、実はもっと単純なものです。

それは、「直近の高値(Takane)」と「直近の安値(Yasune)」です。

この2つの価格、通称「高安(たかね・やすね)」には、市場参加者の欲望と恐怖、そして次の値動きのヒントがすべて凝縮されています。今回は、テクニカル分析の原点にして最強の手法の一つである「高安分析」について、その本質と活用法を徹底的に解説します。


1. なぜ「高安(高値・安値)」がそれほど重要なのか?

多くの初心者投資家は「今の価格」ばかりを気にしますが、相場を動かしているのは「過去の価格」の記憶です。その記憶のランドマークとなるのが「高値」と「安値」です。

市場参加者の「痛み」と「欲望」の記録

チャート上の高値と安値は、単なる数字の記録ではありません。そこには強烈な投資家心理が刻まれています。

  • 高値(Resistance): 「これ以上は高すぎる」と市場が判断し、売り勢力が買い勢力を打ち負かした地点です。ここで買った投資家は現在「含み損」を抱えており、「価格が戻ったらやれやれ売りをして逃げたい」と考えています。
  • 安値(Support): 「これなら安い」と市場が判断し、買い勢力が売り勢力を打ち負かした地点です。ここで売った投資家は「踏み上げ」の恐怖を感じており、価格が戻ってきたら「買い戻し」が入る可能性があります。

つまり、高値と安値には「大量の注文(損切りや決済)」が溜まっているのです。ここを理解することが、チャート分析の第一歩です。


2. 「高安」でトレンドを定義する(ダウ理論の基礎)

「今は上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか?」 この問いに明確に答えるための基準も、実は高値と安値の配置にあります。これはテクニカル分析の古典にして王道である「ダウ理論」の核となる考え方です。

上昇トレンドの定義

上昇トレンドとは、単に価格が上がっている状態ではありません。明確な定義があります。

  • 高値が、前回の高値よりも切り上がっている(更新している)
  • 安値が、前回の安値よりも切り上がっている

この「高値・安値の切り上げ」が続いている限り、トレンドは継続していると判断します。逆に言えば、どんなに良いニュースが出ても、このリズムが崩れた時がトレンドの終わりです。

下降トレンドの定義

下降トレンドはその逆です。

  • 高値が、前回の高値よりも切り下がっている
  • 安値が、前回の安値よりも切り下がっている(更新している)

この「階段状の動き(N字波動)」を認識できるようになるだけで、無駄なエントリー(落ちてくるナイフを掴むような行為)を劇的に減らすことができます。

テクニカル分析の基礎「ダウ理論」とは?6つの基本法則とトレード活用法を徹底解説テクニカル分析の元祖「ダウ理論」を分かりやすく解説。トレンドの定義、エントリーポイントの見極め方、そして6つの基本法則を網羅。投資初心者が最初に学ぶべきチャート分析の本質を、実戦的な視点で紐解きます。今の相場が「買い」か「売り」か迷わなくなるための知識をあなたに。...

3. レジスタンスとサポート:高安が「壁」になる

高安分析の最も実践的な使い方は、水平線(ライン)を引くことです。

レジスタンスライン(上値抵抗線)

直近の「高値」に引く水平線です。 過去に価格が跳ね返された場所は、再び売り圧力が強まる可能性が高い場所です。「前回この価格で下がったから、今回も下がるだろう」と多くの人が考えるため、心理的な「壁」として機能します。

サポートライン(下値支持線)

直近の「安値」に引く水平線です。 過去に下げ止まった価格帯は、「安い」と判断されやすく、買い支えが入る可能性が高い場所です。いわゆる「底」として機能します。

「ロールリバーサル(サポレジ転換)」を狙え

ここからが実戦的なテクニックです。 一度強力な「高値(レジスタンス)」を価格が上抜けた場合、その線は今までとは逆の役割、つまり「安値(サポート)」へと変化することがよくあります。

「かつての天井が、今度は床になる」現象です。

  1. レジスタンスラインをブレイクする。
  2. 一度価格が落ちてくる(押し目)。
  3. かつてのレジスタンスライン付近で反発する。

このタイミングこそが、高安分析を用いた最も勝率の高いエントリーポイントの一つ、「押し目買い」の好機となります。


4. 高安を使った具体的なトレード戦略

30代の忙しいサラリーマン投資家にとって、一日中チャートを見るのは不可能です。だからこそ、高安に注目した「待ち伏せ型」のトレードが推奨されます。

戦略①:ブレイクアウト手法

直近の高値を明確に超えた瞬間に買いを入れる手法です。 高値を超えたということは、そこに溜まっていた「売り注文」をすべて消化し、さらに新しい買いが入ってきたことを意味します。強いトレンドが発生する初動を捉えることができます。

  • メリット: 短期間で大きな利益が出やすい。
  • 注意点: 「ダマシ(一時的に抜けてすぐ戻る)」に遭う可能性があるため、終値で確定するのを待つのが無難です。

戦略②:レンジトレード(逆張り)

相場の7割は、一定の高値と安値の間を行き来する「レンジ相場」と言われています。

  • 前回の高値に近づいたら「売り」
  • 前回の安値に近づいたら「買い」 このシンプルな戦略も、明確な高安が見えている場合には有効です。ただし、レンジをブレイクした場合は即座に損切りをする必要があります。

損切り(ストップロス)の設定

高安分析の最大のメリットは、「どこで逃げるべきか」が明確になることです。 例えば買いエントリーをする場合、「直近の安値」を少し下回った場所に逆指値(損切り)を置きます。 「安値を更新した=上昇トレンドの定義が崩れた」ことを意味するため、論理的に撤退ができるのです。感情に任せた塩漬け株を作らないために、これは必須のテクニックです。


5. 「ヒゲ」を見るか「実体」を見るか

チャート分析においてよくある質問が、「高安はローソク足のヒゲ(先端)で見るべきか、実体(終値)で見るべきか」という問題です。

結論から言えば、「どちらも意識されるが、ケースバイケースで使い分ける」のが正解です。

  • ヒゲ(瞬間的な高安): 市場心理のパニックや瞬間的な需給を表します。ここを「ゾーン(帯)」として捉えるのがプロの視点です。
  • 実体(終値): 市場の冷静な合意形成を表します。ダウ理論によるトレンド判定などは、実体の確定を待って判断するほうが、ダマシを回避しやすくなります。

初心者のうちは、あまり厳密に「1円単位」で線を引こうとせず、高値と安値を含む「価格帯(ゾーン)」として捉え、その帯の中でのプライスアクションを観察することをお勧めします。


6. マルチタイムフレーム分析:大きな「高安」には逆らうな

最後に、勝率を上げるための重要な視点をお伝えします。それは「複数の時間軸のこれを見る」ことです。

例えば、5分足(短期)チャートで「高値更新」をして買いシグナルが出ていたとします。しかし、日足(長期)チャートで見ると、そこが「巨大な歴史的高値」の直下だったとしたらどうでしょうか? おそらく、日足レベルの強力な売り圧力に負けて、価格は下落するでしょう。

  • 長期足(日足・週足)の高安: 非常に強い壁(重力)として機能する。
  • 短期足(1時間足・15分足)の高安: エントリーのタイミングを計るために使う。

「木(短期)を見て森(長期)を見ず」にならないよう、まずは日足レベルでの主要な高値・安値をチェックする習慣をつけましょう。


まとめ:高安こそが最強のインジケーターである

複雑な計算式を用いた最新のテクニカル指標も魅力的ですが、それらはすべて過去の価格を加工した「遅行指標」に過ぎません。 対して、「高値・安値」は現在の市場参加者の注文が集中している、まさに「現在進行形の戦場」を示しています。

  1. 高値・安値は投資家の心理的節目である。
  2. トレンドは高安の切り上げ・切り下げで定義される。
  3. 高安はサポート・レジスタンスとして機能する。
  4. 損切りラインは直近の高安を基準に置く。

この4点を意識するだけで、チャートの見え方は劇的に変わります。 明日からの相場では、まずチャートに水平線を引いてみてください。「なぜここで止まったのか?」「なぜここで急騰したのか?」という謎が解け、相場のシナリオが描けるようになるはずです。

シンプルな手法こそ、誤魔化しがききません。まずはこの「高安」を極めることから、常勝トレーダーへの道を歩み始めましょう。

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