【決定版】CCI(商品チャンネル指数)を使いこなせ!相場の過熱感とトレンド初動を捉えるテクニカル分析
どうも真下です。
「RSIを見ているけれど、トレンドが強すぎて張り付いてしまい、うまく売買できない」 「相場の転換点をいち早く察知したい」
そんな悩みを持つトレーダーにおすすめしたいのが、CCI(Commodity Channel Index:商品チャンネル指数)です。
名前に「商品(Commodity)」とついていますが、現在では株式投資、FX、暗号資産(仮想通貨)など、あらゆる市場で愛用されているオシレーター系のテクニカル指標です。
本記事では、CCIの基本的な仕組みから、実践的な売買シグナル、そして勝率を高めるための組み合わせ手法までを2000文字以上のボリュームで徹底解説します。
1. CCI(商品チャンネル指数)とは?
CCIは、1980年にドナルド・ランバート(Donald Lambert)によって開発されました。
一言で表すと、「現在の価格が、過去の一定期間の平均値からどれくらい乖離(離れて)しているか」を表す指標です。
RSIとの決定的な違い
オシレーター系指標の代表格であるRSI(相対力指数)は、0%〜100%の間で推移し、「買われすぎ」「売られすぎ」を判断します。
一方、CCIには上限と下限がありません。 数値は青天井に伸びることもあれば、底なしに下がることもあります。この特徴こそが、CCIが単なる「逆張り指標」に留まらない理由です。
- RSI: 0〜100の範囲。レンジ相場に強い。
- CCI: 上限なし。値動きの「勢い(モメンタム)」に敏感に反応するため、トレンド発生の初動検知にも使える。
2. CCIの基本的な見方と計算のイメージ
計算式は複雑なので覚える必要はありませんが、概念だけ理解しておきましょう。「統計的な平均値(移動平均)」から、現在の価格がどれだけ離れているかを数値化しています。
一般的にチャートソフトで表示されるCCIは、「0(ゼロ)」を中心線として推移します。
主要なラインの意味
- +100以上: 価格が平均より大きく上振れしている(非常に強い上昇、または買われすぎ)
- -100以下: 価格が平均より大きく下振れしている(非常に強い下落、または売られすぎ)
- 0ライン: トレンドの転換点、あるいは中立
多くのトレーダーは、この「±100」のラインを基準にトレード戦略を組み立てます。
3. 実践!CCIを使った3つのトレード手法
ここからは具体的なエントリーポイントを解説します。CCIには大きく分けて「順張り」と「逆張り」、そして「ダイバージェンス」の3つの使い方があります。
手法①:±100ブレイクを狙う「順張り(トレンドフォロー)」
これがCCIの真のピークです。価格が正規分布を突破し、強いモメンタムを生み出す瞬間を捉えています。
- 買いエントリー: CCIが下から+100を上抜けた瞬間
- 意味:通常の変動幅を超えて価格が上昇し始めた=「強力な上昇トレンドの発生」とみなします。
以下のチャートは、株価が保ち合い(レンジ)を上放れした際の買いシグナルを示しています。CCIが+100のラインを力強く突破しているのが確認できます。

図1:CCIの+100ブレイクによる買いシグナル(順張り)
- 売りエントリー: CCIが上から-100を下抜けた瞬間
- 意味:価格が暴落し始めた=「強力な下降トレンドの発生」とみなします。
手法②:±100からの回帰を狙う「逆張り」
レンジ相場(持ち合い相場)で有効な、教科書的な使い方です。
- 買いサイン: -100以下にあったCCIが、-100を上抜けて戻ってきた時
- 意味:売られすぎ状態のピークを過ぎ、価格が戻り始めたタイミング。
以下のチャートは、レンジ相場の下限で発生した逆張りの買いシグナルです。一度-100を割り込んだCCIが、再び-100を上抜けたポイントがエントリーの好機となります。

図2:CCIの-100からの回帰による買いシグナル(逆張り)
- 売りサイン: +100以上にあったCCIが、+100を下抜けて戻ってきた時
- 意味:買われすぎ状態のピークを過ぎ、熱が冷め始めたタイミング。
手法③:相場の転換を予兆する「ダイバージェンス」
価格とCCIの動きが逆行する現象を「ダイバージェンス(逆行現象)」と呼びます。信頼度の高い反転シグナルです。
- 弱気のダイバージェンス: 価格は高値を更新しているのに、CCIの山は切り下がっている。
- → 上昇の勢いが弱まっている証拠。天井が近いサイン。
以下のチャートは、典型的な「弱気のダイバージェンス」を示しています。株価は高値を切り上げていますが、CCIのピークは切り下がっており、上昇の勢いが失われていることが視覚的に分かります。その後、株価は下落に転じています。

図3:価格とCCIの逆行現象(弱気のダイバージェンス)
- 強気のダイバージェンス: 価格は安値を更新しているのに、CCIの谷は切り上がっている。
- → 下落の勢いが弱まっている証拠。大底が近いサイン。
4. CCIの設定値(期間)はどうする?
CCIのデフォルト設定値(期間)は、考案者のドナルド・ランバートが推奨した「14」が一般的です。
- 期間14(基本): バランス型。多くのトレーダーが見ているため機能しやすい。
- 期間を短くする(例:5〜9): 反応が早くなるが、ダマシ(偽のシグナル)も増える。スキャルピング向き。
- 期間を長くする(例:20〜50): 反応は遅くなるが、ダマシが減り、大きなトレンドを捉えやすくなる。スイングトレード向き。
初心者はまず「期間14」で固定し、値動きの癖を掴むことから始めましょう。
5. CCIの弱点と「ダマシ」を回避する組み合わせ
CCIは反応が早い(敏感な)指標であるため、頻繁に±100を行き来してしまい、エントリーした瞬間に逆行する「ダマシ」に遭うことがあります。 これを防ぐために、他のテクニカル指標と組み合わせるのが鉄則です。
組み合わせ①:移動平均線(トレンド判定)+CCI(タイミング)
最も王道の組み合わせです。
- 移動平均線(25日や75日など)の向きで大きなトレンドを確認します。
- 移動平均線が上向きなら、「買いエントリー」のサインのみを採用し、売りサインは無視します。
- CCIが-100付近まで下がってから反転したところを拾う(押し目買い)。
- 移動平均線が下向きなら、「売りエントリー」のサインのみを採用します。
これにより、大きな波に逆らわずに済み、勝率が安定します。
組み合わせ②:ボリンジャーバンド(ボラティリティ)+CCI
ボリンジャーバンドの±2σ(シグマ)とCCIを併用することで、逆張りの精度を高めます。
- 売り条件: 価格がボリンジャーバンドの+2σにタッチ + CCIが+100から下落開始。
- 買い条件: 価格がボリンジャーバンドの-2σにタッチ + CCIが-100から上昇開始。
二つの指標が同時に「行き過ぎ」を示唆した時のみエントリーすることで、確度の高いポイントを絞り込めます。
6. まとめ:CCIは「反応の早さ」を武器にする
CCIについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 最後に要点をまとめます。
- CCIは平均からの乖離を見る指標。上限・下限がない。
- ±100ブレイクは「トレンド発生」のサイン(順張り)。
- ±100からの戻りは「レンジ反転」のサイン(逆張り)。
- 単体ではダマシが多いので、移動平均線などでトレンド方向を確認してから使う。
CCIの最大のメリットは、「値動きに対する反応の早さ」です。MACDや移動平均線がゴールデンクロスするよりも早く、シグナルを出してくれることが多々あります。
まずはご自身のチャートソフトにCCIを表示させ、「期間14」で過去の値動きと照らし合わせてみてください。「ここで±100を超えたから急騰したのか!」「ここでダイバージェンスが出ていたのか!」という発見が必ずあるはずです。
CCIをマスターして、相場の初動を捉えるワンランク上のトレーダーを目指しましょう。
(免責事項) 本記事は技術的な解説を行うものであり、利益を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。


